これからのAIネイティブなアプリケーションは、どのような構造を持つべきなのだろうか。

これまでほとんどのソフトウェアは、人間がGUIを通じてコンピュータを操作することを前提に設計されてきた。しかし、AIエージェントが自律的にアプリケーションを操作するようになると、人間とAIが同じインターフェースを共有する必要はなくなる。AIにとって最も扱いやすいのはCLIやAPIのような構造化された操作系である。一方で、人間にとって重要なのは、そのAIの行動によって何が変わったのかを直感的に理解し、検証することである。

OpenAI、Teslaを経て、現在Anthropicで研究開発に携わるAndrej Karpathyも、今後のAIとの協働においては、「AIが生成し、人間が検証する」という役割分担が基本となり、この検証ループをいかに高速化できるかが重要だと指摘している。さらに彼は、GUIなどの視覚情報を「脳へのハイウェイ(a highway to your brain)」と表現し、AIの出力を監査するうえで有効だと述べている。

特に建築の分野には、平面図、3Dモデル、メッシュ、温度分布、気流といった、人間が視覚的に意味を直感できる表現がもともと豊富に存在する。AIネイティブな時代においても、これらは人間が直感的に検証を行うための最良のインターフェースであり続けると考える。

Monteloはこの思想を体現しており、AIが裏側でCLIを通じてモデルや解析条件を操作するたびに、GUIがリアルタイムに更新される。AIが空調機を配置すれば3Dモデルに即座に反映され、メッシュを生成・細分化すればその変化がリアルタイムに画面上に現れる。裏側で駆動しているのはCLIであっても、人間の目には、まるで誰かが目の前でアプリケーションを操作しているかのように状態が遷移してゆく。

また逆に、人間がGUI上で機器を移動したり、設定値を変更したりすれば、その変更はAIが参照する裏側のコンテキストへと即座に反映される。

AIはCLIから世界を操作し、人間はGUIからその世界を観察して、修正やチェックを与える。両者は異なるインターフェースを持ちながらも、常に同じひとつの状態を参照している。

AIのための操作面と、人間のための観察・修正面を分離しつつも、同一の世界を共有させること。それこそが、我々が考えるAIネイティブなアプリケーションの基本構造である。